腹痛を起こす消化器疾患以外の原因
腹痛を引きおこす消化器疾患以外の原因も多数認められます。多くの場合まず内科、消化器内科に受診される方が多い為診療する機会も多数認められますのでまとめてみました。下記に特徴を記載しますので、明らかに他科疾患と分かっている場合には専門科に受診ください。
どこの科に受診したらよいか分からない、という方は当院を“医療の窓口”としてご利用・ご相談ください。
どこの科に受診したらよいか分からない、という方は当院を“医療の窓口”としてご利用・ご相談ください。
泌尿器系の病気(腎臓・尿管・膀胱・前立腺など)
▶ 特徴:側腹部~下腹部・腰背部の痛み(背中側)。頻尿・排尿時痛・残尿感や肉眼的血尿など、排尿時の異常を伴うことが多い。
- 尿路結石(腎結石・尿管結石)
片側の突然の激しい腰背部痛、血尿 - 膀胱炎
下腹部痛、排尿時の痛み、頻尿、残尿感 - 腎盂腎炎
膀胱炎の症状に加え、高熱、片側または場合によって両側腰背部痛 - 尿閉
尿が出ない、下腹部痛、下腹部膨隆
婦人科系の病気(女性のみ)
▶ 特徴:下腹部痛、月経異常・月経周期との関連、帯下(おりもの)の変化を伴うことがある。
排卵の時、卵巣の血管が断裂して発症。排卵期の前後に好発。性交がきっかけで起こることが多く部位は右に多い。
出血性黄体のう胞
卵胞出血による血液が卵巣内に貯留して血腫を形成しのう胞化したもの。排卵から生理までの期間に多い。
- 卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)
大きくなると下腹部痛 - 卵巣嚢腫茎捻転(けいねんてん)
突然の激しい下腹部痛、吐き気 - 卵巣出血
突然の激しい下腹部痛
排卵の時、卵巣の血管が断裂して発症。排卵期の前後に好発。性交がきっかけで起こることが多く部位は右に多い。
出血性黄体のう胞
卵胞出血による血液が卵巣内に貯留して血腫を形成しのう胞化したもの。排卵から生理までの期間に多い。
- 子宮筋腫
圧迫による鈍い痛み、不正出血、貧血 - 子宮内膜症
下腹部痛(生理時に悪化)、排便痛や性交時の痛み、出血 - 異所性妊娠(子宮外妊娠)
下腹部痛、出血、ショック状態になることもあり
循環器系の病気(血管・心臓)
▶ 特徴:血管の異常による激痛や、心疾患由来の関連痛がある
- 腹部大動脈瘤(の破裂)(緊急性が高い)
突然の激痛、失神、ショック状態 - 狭心症・心筋梗塞(関連痛としての腹痛)
前胸部からみぞおち付近の痛み(特に高齢者) - 腸間膜動脈閉塞症(血管が詰まる)・解離(血管が裂ける)
強い腹痛、腸壊死のリスクあり
呼吸器系の病気(肺・横隔膜)
▶ 特徴:腹痛だけでなく、呼吸苦や咳・発熱を伴うことがある
- 肺炎・胸膜炎(特に下葉の炎症)
みぞおち~左右上腹部の痛み、深呼吸で痛み、咳で痛み、発熱 - 横隔膜ヘルニア
胸焼け、腹痛、呼吸苦
整形外科の病気(筋肉・骨・神経)・ストレス性の腹痛
▶ 特徴:特定の動作で悪化、精神的要因で症状が変動
- 筋肉痛・筋膜炎(腹筋の損傷)
安静時の痛みは軽度、体動時の痛みが強い - 肋間神経痛・肋間筋痛
片側の事が多く、ピリピリ、皮疹が出現する場合は帯状疱疹を考える - 帯状疱疹(たいじょうほうしん)
神経走行に沿ったピリピリした痛み(神経痛)、後に皮膚に赤い発疹が出現 - 心因性腹痛(過敏性腸症候群や機能性胃腸症に関連)
ストレスや緊張で腹痛が出る
その他(代謝・中毒・薬剤関連)
▶ 特徴:広範囲の腹痛や、血液検査異常を伴うことがある
- 糖尿病性ケトアシドーシス(高血糖の重篤な状態)
強い腹痛、嘔吐、意識障害、脱水 - 薬剤性腹痛(NSAIDs・抗生剤など)
鎮痛剤や抗生剤による胃・腸の刺激、潰瘍や下痢など - 鉛中毒・重金属中毒
持続的な腹痛、貧血
消化器内科を受診することで診断可能なポイント
- 超音波(腹部エコー) → 泌尿器系・婦人科系疾患の評価
- 血液検査 → 炎症反応、腎機能、血糖値などの異常をチェック
- 尿検査 → 尿路感染症、尿管結石の診断
- 超音波(腹部エコー)、CT → 腹部大動脈瘤、腎結石、腸間膜動脈閉塞など、血管系は場合によっては造影剤を使用したCTを検討する場合があります。
まとめ
当院では胃腸の病気だけでなく、泌尿器、婦人科、血管系、神経系などの病気も相談をされ診断していることが多いです。すべての専門的疾患を当院で治療まで完結することはできないこともありますが、必要時各専門科に繋げることが可能です。受診先が分からない場合は“医療の窓口”としてご相談ください。
- 特に「急激な激痛」や「発熱」「血尿」「意識障害」を伴う場合は、緊急受診が必要!
- 慢性的な鈍い痛みの場合でも、放置せず早めに検査を受けるのが重要です。