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アニサキス症


胃の中に寄生するアニサキス幼虫

アニサキス症は、アニサキスという寄生虫が胃や腸に侵入することによって引き起こされる病気です。生魚や未処理の海産物に含まれるアニサキス幼虫が原因で発症します。この疾患は急性の腹痛や消化不良を引き起こし、場合によっては重篤な症状に繋がることもあります。以下に、アニサキス症の原因と症状について詳しくご説明いたします。

原因

アニサキス症は、アニサキスという寄生虫が原因です。アニサキスは、主に海産物に生息している寄生虫で、魚類や海洋哺乳類(クジラやイルカなど)の消化管に寄生しています。人が生魚や未処理の海産物(特にサバ、アジ、イワシ、サンマ、サケ、イカ、タコなど)を食べることで、アニサキス幼虫が体内に入ることがあります。胃や腸内に到達したアニサキス幼虫は、そこで寄生し、アレルギー反応により急激な炎症反応を引き起こします。

症状

胃アニサキス症は、すぐに急激に症状が現れるのが特徴です。小腸アニサキス症は到達までに少し時間がかかるため、摂取後しばらくしてからの症状が典型的です。主な症状は以下の通りです

1. 胃アニサキス症(数時間以内に発症)
  • 生魚を食べた数時間後(通常4~8時間以内)に激しい上腹部痛、吐き気、嘔吐を引き起こします。
  • 胃壁に侵入した幼虫による急性炎症・アレルギー反応が原因で、胃潰瘍のような痛みが生じます。

2. 小腸アニサキス症(10時間~数日後に発症)
  • 腸に侵入した場合、激しい下腹部痛や腹膜炎様の症状を呈します。
  • 腹水が多く認められることがあります。
  • 腸閉塞や穿孔を引き起こすこともありますが、腸アニサキス症は比較的まれです。

診断

問診で疑うことから始まります。生の魚介類の接種歴と症状経過により疑います。

1. 内視鏡検査(胃カメラ)
  • 胃アニサキス症では、内視鏡で胃粘膜に刺入したアニサキス幼虫が確認できます。
  • 診断がつき次第治療として幼虫の摘出を行います、症状は速やかに軽減します。

2. CT・超音波検査
  • 腸アニサキス症の場合、腸管浮腫や腹水が見られることがあります。

治療

内視鏡によりアニサキス幼虫を摘出する様子

1. 急性胃アニサキス症
  • 内視鏡による幼虫摘出が最も効果的です。
  • 幼虫を摘出することで、痛みは速やかに軽減します。

2. 急性腸アニサキス症
  • 腸閉塞・穿孔のリスクが高い場合は、外科的治療が必要になることがあります。
  • 軽症例では、自然排除されることもありますが、絶食・点滴治療が行われます。

予防

アニサキス症の予防には、以下の方法が有効です。

加熱調理(60℃以上で1分以上):完全に死滅
冷凍処理(-20℃で24時間以上):アニサキスの死滅
目視確認:魚の内臓や筋肉中にアニサキス幼虫がいないか確認

  • アニサキスは、マイナス20℃以下で24時間以上冷凍すると死滅します。家庭用の冷凍庫の設定はマイナス18℃までのため、2日以上の冷凍が必要になります
  • 酢や塩、ワサビではアニサキスは死滅しません。

注意すべきケース
  • アニサキス症を繰り返すと、アニサキスアレルギー(アナフィラキシー)を引き起こすことがあります。
  • 食後数時間以内に腹痛と蕁麻疹が出た場合は、アニサキスアレルギーの可能性も考慮する必要があります。

当院のアニサキス診療

  1. 問診、診察で症状の確認。
  2. 疑わしい場合はエコー・CTなどで病変部位の確認。胃アニサキスでは胃壁肥厚、腸アニサキスでは小腸壁肥厚と腹水が確認される。
  3. 胃アニサキスを疑う場合は即日(お待ちいただくことになりますが)胃カメラ検査を行います。必要時アニサキスの摘出を行います。腸アニサキスを疑う場合は外来通院、または総合病院に紹介をします。
  4. 再発予防の指導を行います。上記予防法について・アニサキスアレルギーについての説明を再度施行します。

まとめ

アニサキス症は、適切な治療を行うことで、症状の改善と完全な回復が期待できる病気です。当クリニックでは、内視鏡を使用した安全で迅速な治療を行い、患者様の回復を支援します。また、治療後の経過観察を通じて、再発の予防と健康管理をサポートします。万が一、アニサキス症の症状に心配がある場合は、早期にご相談いただくことをお勧めします。

当院は開院後1年未満ですが、すでに胃アニサキス症で当日内視鏡的にアニサキス摘出を行った実績もあります。