胃内視鏡検査(胃カメラ)を受ける適切な間隔について
胃内視鏡検査(胃カメラ)を受ける間隔は、胃の状態やリスクの高さによって異なります。一般的な目安を以下に示します。胃カメラ検査、ピロリ菌の有無の検査をすると胃がんリスクの程度を判断できますので40歳を過ぎたら1回内視鏡検査・ピロリ菌の検査をお勧めします。
1. リスクが低い場合(症状や異常がない場合)
- 胃に異常を認めずピロリ菌がいない場合は、2年に1回の健診が推奨されます。
2. ピロリ菌感染がある場合
- ピロリ菌がいる場合は症状がなくても除菌を推奨します。
- 除菌治療を行った後も萎縮性胃炎(胃粘膜痛んでが薄くなっている状態)や腸上皮化生(胃粘膜が腸の粘膜のようになっている状態)を認める場合は、1年に1回胃カメラ検査を受けることが推奨されます。
- 若い年齢で除菌し内視鏡上胃炎所見が軽度のみの場合は胃がんリスクの上昇が抑えられるため、1~2年毎の内視鏡検査(状況次第)をお勧めします。
3. 胃がんの家族歴がある場合
- 家族に胃がんを患った方がいる場合胃がん・ピロリ菌感染のリスクが高いため、胃カメラ検査とピロリ菌検査が推奨です。以後は上記に準じます。
4. 胃がんの治療歴がある場合
- 胃がんの治療歴がある場合は、毎年1回胃カメラ検査を受けることが一般的です。
- ピロリ菌が確認される場合は除菌治療を推奨します。
5. 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の既往のある場合
- ピロリ菌感染が原因で胃潰瘍や十二指腸潰瘍の既往がある場合も、定期的な胃カメラ検査が重要です。胃粘膜のダメージ次第で1〜2年に1回が目安となります。
6. 症状がある場合
- 胃の痛み、胃もたれ、胸やけ、吐き気、体重減少、貧血などの症状がある場合は、検査間隔を問わず、早急に胃カメラ検査を受けるべきです。
胃がん検診
胃がん健診では、主に以下の検査が行われます
- バリウム検査(胃部X線検査)
胃全体の異常を確認するために用いられますが、小さな病変を見逃すことがあるため、精密検査として胃カメラが推奨されることもあります。 - 胃内視鏡検査(胃カメラ)
早期の胃がんや細かい病変を発見するためには、胃カメラが最も有効です。必要に応じて組織を採取し、詳しく調べることもできます。 - ABC健診(ピロリ菌の有無と胃の粘膜の状態を調べる血液検査)
胃癌リスク検診として行われています。胃がん検診の代用のように行われていることがありますが、胃がんの有無を調べる検査ではありません。ABC健診は胃がんで亡くなることを防ぐ科学的根拠が不十分であり、胃がん検診としては推奨されていませんのでご注意ください。また、生涯に1回のみの検査となるため、若いうちに胃がんリスクを簡便に判定する検査としては有用ですが、以後は胃カメラかバリウム検査を行うことが推奨されます
対象年齢と受診間隔
- 胃がん検診は現在50歳以上2年に1回が推奨されています。
- 今までは40歳以上1年に1回が推奨でしたが、平成28年から検診の利益(胃がんで亡くなることを防ぐ)と、不利益(偽陰性、偽陽性、過剰診断、偶発症など)のバランスの観点から対象年齢・検診間隔が変更となりました。
- 胃がん検診として推奨される検査方法は胃カメラとバリウム検査の2つだけです。
- 胃カメラ検査とバリウム検査を毎年交互に受けることは不利益の増加につながるため推奨されていません。
- ピロリ菌や胃の疾患歴がある方は検診でなく、除菌治療と定期的な胃カメラ検査が推奨されています。
胃がん健診を受けるメリット
- 早期発見・早期治療が可能:胃がんは早期に発見されればほぼ完治が可能です。
- 胃の状態を把握できる:健診を通じて、自分の胃の状態やリスクを把握することができます。
- 安心感が得られる:定期的な検査を受けることで、胃がんや胃の病気に対する不安を軽減できます。
まとめ
- リスクが低い場合:2年に1回の胃がん検診(できれば1年に1回が理想)
- ピロリ菌感染歴がある場合:1年に1回胃カメラ(胃炎の程度で1-2年に1回)
- 胃がんの家族歴がある場合:ピロリ検査後、結果次第で前記の対応
- 胃がん治療歴がある場合:1年に1回胃カメラ
- 症状がある場合:早急に検査を受ける
除菌後の胃カメラ検査の重要性
- 早期発見のため
ピロリ菌を除菌しても、胃がんが発生するリスクが完全になくなるわけではありません。特に日本では胃がんの発症率が高いため、早期発見のためにも定期的な胃カメラ検査が必要です。 - 粘膜の変化を観察するため
除菌後も胃の粘膜に炎症が残ることがあります。胃カメラで粘膜の状態を確認し、異常の進行を早期に発見できます。
当院でのサポート
当院では、ピロリ菌保菌者には除菌治療、ピロリ菌除菌後の経過観察としては定期的な胃カメラ検査をおすすめしています。苦痛や不安を軽減するための経鼻内視鏡や経口での鎮静剤対応、丁寧な説明を心がけています。検査のタイミングや頻度について迷われる場合は、ぜひお気軽にご相談ください。